正義と正論。そして正解。
皆さんこんにちは。新潟の中小企業診断士/本間大輔です。
新年度が始まって3週間ほど経ちましたね。
東京での花の大学生活は、思い描いていた通りでしょうか。
今から15年くらい前に、ハーバード大学のとある講義が話題になりました。
マイケル・サンデル教授による哲学の講義。
「これからの正義の話をしよう」という書籍も出ております。ご存じの方も多いのではないでしょうか。
その本の序章に、こんな問いかけがあります。
"1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?"
(詳しくは「トロッコ問題」で検索してください)
SNSにも投稿しましたが、先日妙高のスキー場にお邪魔する機会がありました。
そこでスキー宿のオーナーからこんな話が聞けました。
「インバウンド(外国人観光客)に振り切れば、売上が増えるのは分かっている。でも、昔からの常連客(日本人のシニア)を蔑ろにはできないですよ。」
その話を聞いた時に思い浮かんだのが、上記サンデル教授の一節でした。
事業経営をしていると、多かれ少なかれ同じようなシチュエーションに出くわすこともあると思うんです。
そんな時に、どう考えればよいか。
正論を振りかざすことが正義か。
正論を言えないのもまた、正義があるからか。
その前に、そもそも正解なんてあるのか―。
駆け出し経営コンサルタントの頃の僕は、間違いなく正論を振りかざしていたと思います。
不採算事業は切り捨てましょう。
給料に見合わない働きしかできない社員は辞めてもらいましょう。
善悪ではなく、当時の僕には僕なりの正義があった訳です。
経営者、そこで働く従業員、そしてお客さん。
それぞれにまた正義があるわけだ。
色々経験は積んできたけど、残念ながらこの問いに対する答えを示すことは僕にはできないと思う。
そういう意味では、まだまだ未熟な経営コンサルタントかもしれません。
駆け出しの頃の方がマシだったと思われるかもしれませんね。
それでも、サンデル教授のように頭は良くないけど、話をすることはできるよ。
僕たちは、何とどう向き合っていかなければならないか。
カッコつけるようだけど、それが僕の正義かな。